FS仲間が集う一大イベント「FS Party in Tokyo 2010」(主催:航空管制研究会)に参加しましたので、その詳細フォト・リポートをまとめてみます。
FS Partyの内容は、Windows環境の航空管制用PCと航空機用PCとを会場内でマルチ(相互)接続させて、「航空管制(ATC)の交信を通じて運航するIFRフライト」がメイン・イベントで、これが通称“生(なま)ATC”と呼ばれるものです。その他、「全員参加型のエアレース」など楽しさあふれる連続二日間に渡る企画で、ここ数年、年2回(それぞれ関東・関西で1回ずつ)のペースで開催されています。(注:ATC=Air Traffic Control)
関東地区では5月15日~16日の2日間、成田空港近接の航空科学博物館レストハウスで開催され、スケジュールは以下のとおりです。
★★5月15日(土)★★ 14:00~14:30 開会式
14:30~17:45 Flight 1(路線型生ATC・・・羽田 → 岡山 → 伊丹 → 羽田 フライト)
18:00~ 宴会・宿泊に向けてホテルへ移動
19:00~21:00 懇親会(マロウド・インターナショナルホテル成田:宿泊も可)
21:00~未明 自由参加の2次会・3次会・・・・(ホテル内)
★★5月16日(日)★★ 8:30~ 9:00 チェックアウト。会場へ移動。
9:00~12:00 Flight 2(エアレース ・・・山手線ぐるーり一周フライト)
12:00~13:00 昼食
13:00~16:45 Flight 3(路線型生ATC・・・羽田 ⇔ セントレア(名古屋)シャトルフライト)
16:45~17:00 閉会式
17:00~18:00 撤収作業。現地解散。
私は、16日に地元の蔵元「府中誉」が開催する田植えイベントの予定があり、初日のみの参加になってしまいました。残念無念、楽しみも半減だー。それでは、初日の模様をリポートしていきましょう。
1.フライト・イベント **FSカム本体(親機)を設定中**
**FSカム端末(子機)を調整中**
「FS(Flihgt Simulator)カム」とは、4年の開発期間を費やし晴れてデビューにこぎつけたもので、今回から新たに導入された画期的なシステムであり、管制官とパイロットとの交信(ATC:Air Traffic Control)を可能にするための装置です。親機(1台)を中心に、複数の子機(航空無線通信機器を模したもの)で構成されています。親機は全ての子機同士の通信を制御するもので、見た目には“電話局の交換機”のようです。これら子機同士の通信は、無線接続ではなく専用に構築したLAN環境の中で、ケーブル接続により音声のやり取りを可能にした、完全オリジナルなシステムです。
また、子機に表示される航空管制通信の周波数(注:もどき)は実在する航空無線用周波数の数値を表示していますが、実際には無線電波を発信しないために電波法令上に抵触する事はなく、単なる音声回線のチャンネルとして実際の雰囲気を再現させているものです。
**FSカム端末(子機)の拡大写真(エアバス風カラー。他にはボーイングカラーも有り)**
パネル上のツマミを回して周波数を変更し各管制官と交信します。親機と合わせて、こんな凄いシステムを製作された「むらぴ~♪」さんに感謝、最敬礼です。
管制とフライトに使用する全てのWindows PCは、参加者がボランティア精神で自ら持ち込んだものに、FSパーティー用にセットアップされた専用ハードディスクを読み込む事で実現しています。こうした参加者から提供されるPCがあってこそ、初めてこのイベントは成立するのです。参加する際は積極的に協力しましょう。
**管制セクションのPC**
管制官を担当する参加者(希望制)が使用するPC群。FSソフトは不要ですが、別に管制用のソフトをインストールしています。管制を統括できるシマーが羨ましい、私には無理だー。(汗)
**フライトセクションのPC**
パイロットを担当する参加者(これも希望制)が使用するPC。3画面あり、2画面ありで10台程のPCが揃いました。ここでもFS2004が主流、やはり「FSXは使いにくいのかなー」と思っていましたが、スタッフの方から理由を聞くことができました。
※FS2004(FS9)を主流にしている理由……多くの有償・無償のアドオン資産(空港・航空機など)が充実しており、空港ならば日本国内ほぼ全空港が精密なシーナリーとして実現されています。また、航空機も各機種は勿論、実在する各エアライン仕様の塗装機材が揃っているのに比べて、最新のFSXはまだまだアドオンは発展途上であり、種類・数ではFS2004が勝っているのが大きな理由です。(FS Partyスタッフ談) **開会あいさつをする主催者のだるま急行さん(左)とspotさん(右)**
FSカムの設定と調整に時間がかかり、フライトの開始が15:00近くになってしまいました。そのため、Flight 1は「東京⇔セントレア シャトル便」に予定変更です。
**羽田空港(RJTT)から中部国際(セントレア)空港(RJGG)へのフライトプラン**
**プリントアウトした管制用のストリップ**
実際の航空管制に基づき、「デリバリー(管制承認)」→「グラウンド(地上走行許可)」→「タワー(離陸許可)」→「デパーチャー(出発レーダー管制)」→「コントロール(エンルートレーダー管制)」→「アプローチ(進入レーダー管制)」→「タワー(着陸許可)」→「グラウンド(地上走行許可)」と進みます。管制官同士のハンド・オフ用のストリップ(管制運航票)を用意するとは本格的です。
**ANA010がフライトプランに沿って管制官と交信中**
Tokyo Delivery, All Nippon 010, Request clearance to CHUBU CENTRAIR AIRPORT, Level 12000,spot No.53.We have information “A”.
フライトプランが承認されたら、グラウンドにコンタクトしてプッシュバック、エンジンスタートしてタキシングを開始します。
**タキシング中のANA010**
**ANA010に東京タワーが離陸許可を発信**
All Nippon 010, Tokyo Tower, Cleared for Take off Runway 34 Right, Wind*** at **, QNH29.9*.
**離陸滑走中のANA010**
80、V1、VR...
**離陸したANA010**
V2、Gear Up...
離陸したANA010は、デパーチャーを経て東京コントロールにハンドオフされていきます。
**ANA010に指示を出す東京コントロール**
All Nippon 010, Tokyo Control, Climb and maintain 12000,Direct to TRIKE.
フライトプランに沿って目的地への高度及び経路を指示していきます。
**ANA010に指示を出すセントレア・アプローチ**
All Nippon 010, Centrair Approach, Turn left heading 200.Reduce airspeed 190 knots.
ファイナル・アプローチに向けてレーダーベクターで方位と速度を指示していきます。
**ベース・レグからローカライザーをキャプチャーしてファイナル・アプローチに入るANA010**
**グライド・スロープをキャプチャーして着陸に向けて降下を開始したANA010**
**ANA010に着陸指示を出すセントレア・タワー**
All Nippon 010, Centrair Tower, Clear to Land Runway 36, Wind*** at **, QNH29.9*.
**着陸直前のANA010**
**着陸したANA010**
100…50..40..30..20..10..,Engine,Reverse,Flap up...
キャプテン、滑走路センターから外れています。おっと危ない、右からの風に振られてしまったかなー。(汗)
ランウェイ・アウトしたら、グラウンドにコンタクトしてスポットまでタキシングします。エンジンをストップすると最初のフライトが終了です。小休止した後、羽田に向けて出発しましょう。
今回はスペシャル・メンバーとして「僕は航空管制官」シリーズでお馴染みの㈱テクノブレインから芦達社長と今井さんが参加してくれました。来年も是非おいでくださいね。
2.懇親会 ホテル1階の「浅間」で開催された参加メンバーによる大宴会。実は、私にとってのメイン・イベントはこちらなのです。(笑)
ビュッフェ方式でメイン・ディッシュからデザートまで食べ物の美味しさは折り紙付き。飲み物もビール、ウィスキー、焼酎、ワインなど飲み放題。酒好きには堪りません。
**乾杯後に歓談中**
最初は硬かった雰囲気も、時間の経過とともに和やかになってきます。おっ、女性がいるぞー!!!
**メンバーの近況報告**
前半は各メンバーからの近況報告会、ここでしか聞けない面白い話や裏話が続出です。勿論、私も写真紙芝居を作ってマイ・ブログを紹介しました。
**メンバー同士でFS談義**
ここでは、先輩も後輩もありません。無礼講でワイワイ・ガヤガヤ、飲み放題なのでついグラスが進んでしまいます。
楽しい時間はあっという間に過ぎてお開きに、会場スタッフの皆さんありがとうございました。そして、私は後ろ髪を引かれる思いでホテルを後にしたのでしたー。(涙)
シマーの皆さん、いかがですか。FS Partyってワクワクするでしょ、楽しいでしょ。こんな素晴らしい企画なのですから、次回は是非参加してみませんか。 「FS Party in Tokyo」のホームページ
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テーマ:ソフトウェア - ジャンル:コンピュータ
2010/05/20(木) 23:33:42 |
フライトシミュレーター
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